生物と無生物のあいだ
2007年 10月 4日(木曜日): inoppi著者: 福岡 伸一
★★★★★
がんばれば、高校生でも読めるかな?
もしくは、高校生向けの解説本があってもいいかも。
【魅力】
・ 遺伝子発見の物語は、ミステリーを含みつつ、物語として面白い
・ 研究者の生活ってこうなんだーって憧れが生まれるかも
・ 「科学的に証明する」ってこういうプロセスを踏むのね
・ 生命の、「超精密なシステム」の不思議と感動
・ 「生命とは流れである」==哲学的でもありますねー
【私が感動した点】
・ チャンスは、準備された心(prepared mind)に降り立つ
同じ経験をしても、同じものを見ても、
前提となる知識や経験がないと、本当の価値は見出せない。
最近、実感としてよく思うこと。
Are you ready?
Am I ready?
・ 原子はなぜ、そんなに小さいのか?(シュレディンガー)
わかりやすくするために、仕方ないのだが、
『もののスケール』って逆にわかりにくくない?
地球の大きさ、太陽系の大きさ、分子の大きさ、原子の大きさ。。
どれも、似たような模型で説明されてしまうため、
本当はどれほど大きいのか、小さいのか、実感なくない?
わかりやすいことが、いい面もあり、またそうでない面も。
【私が疑問に思った点】
・ 不完全な遺伝子をノックインすると
本書の一番最後になるのですが、
あるアミノ酸を、完全に生成しないような遺伝子をノックインしても、生命の絶妙なバックアップ装置が働いて、何も異常は起こらない
同じアミノ酸を、不完全に生成する遺伝子をノックインすると、バックアップ装置が働かず、異常が発生する
という記述がある。
私には、正直よくわからなかった。
生命は、1つのアミノ酸生成に対して、
・ 「うまいこと」、完全に生成できなければ問題ないが、
・ 一部だけに異常が起こると、問題が起こる
と、読めてしまったから。
そんなはず、ないんじゃないの?
だって、自然界では、「うまいこと」、完全にあるアミノ酸が生成できないような異常が起こるなんて、超偶然じゃない?
本当にそうなら、バックアップとしては、弱すぎじゃない?
以下は、私の勝手な解釈。
『たまたま』、ある部分の遺伝子コピーに失敗した場合には、バックアップ可能だが、
『たまたま』、別の部分の遺伝子のコピーに失敗した場合は、バックアップ不能である。
失敗したって平気なものと、致命的なものがあって、
両者同時に起こった場合は、平気(な場合もある)
ということではないのかな?
機会があれば、著者に聞いてみたい。
いずれにしても、
生命のとても、とても、精巧なシステムに感動!
部分は、とてもシンプルな活動しかしていなく、
全体として、ものすごく機能的である。
所詮、人間の考えることなんて対したことないね~。
わたしは、うつくしいものが好き。
何をうつくしいと感じるかは、自然であり、その奥に潜むシンプルな法則。
それって、小さい頃から自然に囲まれ、学校では数学を教わったからだと思う。